きみのお祭り

死ぬまで盛り上がっていけ

diary_20171120

 

 

突然、数日前から吹雪が始まった。きっとこれは永い。

 

雪原が見える。明るく数十メートル先まで見通せる日もあれば、今日などは50センチ先も見えないような雪風にさらされている。太陽は見えない。鉛色の雲と寒さだけがただあるような。

 

比喩ではない。本当に、これまで持っていた或るもののすべてを失ってしまった。そしてこの吹雪はおそらく、永く続くと思う。思い出せないことすら思い出せなくなってしまうほどに、深雪のしたへと隠れてしまったものたちがあって、それが確かに「あった」ことは分かっても、それが何であったかはもう本当に思い出せない。

 

雪原にあたらしく、城を建てるしかない。そして足跡を残して、地を踏み固めるしかない。きっと孤独な日々になる。けれど、煉瓦を積み上げるのは孤独な作業でも、一緒にそれを運んでくれる人がいる。土を練って煉瓦を焼いてくれる人がいる。それが何よりうれしくて、ありがたい。

城が建てられるだろうことは、予期ではなく、知っている。完成することは、おそらくない。

 

たぶん何を言っているか、これを読んでいる人はさっぱりわからないと思う。わたしもきっと、明日これを読んだらわからないだろうと思う。明日の自分と今日の自分が連続した同じ人間ではないということがいま、痛いくらいによくわかるから。

けれどdiaryと名付けているのだから、別にそれでもいいんじゃないか、とも思う。