きみのお祭り

死ぬまで盛り上がっていけ

2022-01-01から1年間の記事一覧

作文・読書感想文の書き方 ~鹿の巻~

夏ですね。夏休みはどうして読書感想文を書かされるのでしょうね。普段から10代の人々に文章を教えているので、備忘録を兼ねて「読書感想文の書き方」をまとめてみました。 〇 作文の話 ・読書感想文=「作文」の一種 ・では「作文」とは? → 自分が経験した…

香川県丸亀市という土地

尾道→今治でしまなみ海道を走ったあと、前々からずっと食べたいと思っていたものを食べに行くことにした。香川のうどんである。 土地と料理のイメージの結びつきにおいて、「香川とうどん」ほどの強さを持つペアはあまりないのではないか。少なくともわたし…

映画『神々の山嶺』「そうとしか生きられない」人へ

※ ラストシーンに言及しています ※ 映画『神々の山嶺』公式サイト 「神々の山嶺」観てきた。山映画は基本全部観る。観てよかったと言える作品であったことがひとまずうれしい。あの尺の中で、山を登る人の抱える業が感傷に塗りたくられず描かれていたところ…

わかるまで何度でも言うしかないさ

わたしは覚えたことをけっこうすぐに、割と何度も忘れる。忘れる→思い出す(学びなおす)のプロセスを複数回踏まないと、だいたいのことが定着しない。 物事を学んだり覚えたりすることをあまり苦に感じないのがせめてもの救いだが、忘れるたびに「なんだっ…

主訴「痛み」での緊急搬送

深夜2時に救急車で搬送された。ここ数日どうにも内臓や全身が痛く、立ったり座ったり寝たり起きたりだましだましやっていたが、昨晩の深夜過ぎにいよいよ眠れないほどの激痛になり呼吸も怪しくなったので、救急相談センターに相談したところ、即救急車となっ…

透明な世界

自分が存在しない世界のことを想像するのは不思議な気分だ。想像するはずの自分はいないのに、透明になって、あらゆる日常を見下ろしている。つまり、わたしがわたしの存在しない世界を想像するとき、それは常に、「わたしがいない/いなくなった世界」ではな…

思い出したくない痛みのこと

自分が当たり前にいた環境を疑うことはむずかしい。それが子どもならなおのことそうだ。 ときどき、10年も20年も前のことが突然フラッシュバックしては感情の波にさいなまれるということをここ数年以上繰り返している。自分が育った家族や家庭環境について。…

2022春 祖母の記録

先日、久しぶりに祖母の家に遊びに行った。あいかわらず認知症はゆるやかに進行していて、耳も遠いから会話らしい会話はほとんどしない。祖母はわたしが冷蔵庫を開けたり、ねこの腹をぐりぐりやったりしているのをニコニコしながら見ている。わたしが家に行…

2022april_最近の走り書き

うっかりここに何も書かないまま4月を終えそうになっているので、走り書きを残しておく。 === 人生山あり谷ありというが、山だの谷だのの起伏にいちいち感情を持ち出すことがめんどうになりつつある。物事は常に起こり続け、時間は静止せず、その揺らぎが…

桜の話

春といえば満開の桜だが、桜が咲いている時間はほかの花と比べるとかなり短いように思う。あ、始まった、と思った数日後には満開になり、それから2日もすればもう花弁が欠ける。儚い花、一瞬の花だけれども、それでも桜は千年以上も前から、春の象徴であり続…

反進歩主義の話

はたして欲張る必要があるのだろうか。毎日同じことをしていても、全然悪くないと思う。毎日できる限りの、したい限りのことをしたいようにして。けれどもしていることに手は抜かず、自分に後ろめたさを覚えないように。それだけを繰り返していれば、自然と…

違和感と共感の話

当たり前だが、違和感と共感は違う。なんか変だな、ちょっとおかしい気がする、という感覚と、わかる、正しいように思う、という感覚。 しかしこれら、ベクトルが違うだけで、実は同じ気付きをもたらすのではなかろうか。すなわち、「自分がどのような常識や…

スキー旅行の話

夫にスキー旅行をプレゼントしてもらった。人生通算3度目のスキー。某雪国で丸2日滑り倒した。 雪国の朝 夫は普段ほとんど運動しない。オフの日は一日部屋にこもってカメラをいじったりお笑いを見たりしている。というか、日常生活の中で走っているところす…

誕生の話

2022年2月4日、28歳になった。 生き死にはほんとうにわからない。昨年の暮れに突然逝ってしまった祖父。その前の前の年の大雪に突然さらわれてしまった犬。出生が意志に因らないように、死もまた意志のもとにない。人は自死を選べるなんて嘘だ。肉体を破壊し…

ミケル・バルセロの話

初台のオペラシティアートギャラリーで開催しているミケル・バルセロの展示へ。恩師の先生がカタログの論文を翻訳しているとのことで、チケットをいただいた(先生、ありがとうございます) ミケル・バルセロ展 | 東京オペラシティ アートギャラリー | 美術…

身体のつくりと踊りの話

趣味でサンバを踊っている。これがけっこう楽しい。最初は「月に1回レッスンに行ければ」くらいに思っていたが、気づけば毎日なんとなくステップを踏んだりリズムを口ずさんだりするようになっていて、すっかりサンバを身体に飼うこととなった。 サンバとい…

ルールの話

最近、仕事で手引きみたいなものをいくつか作るうちに、「ルールはどこを向くべきなのか」についてよく考えるようになった。「~してください」 「~しましょう」「~するようお願いいたします」という文字列を繰り返し打っていると、ふと「この言葉はいった…

時間を取り戻す話

祖母の認知症がかなり進みつつある。同時に、体力もずいぶん衰えている。病気をしているわけではないけれど、毎日ご飯を食べるとき以外はほとんどずっと眠っていて、少し起き出してもすぐにコタツでうとうとしてしまうらしい。5分前に言ったことも忘れてしま…

『ラストナイト・イン・ソーホー』の話

※ 具体的なシーンや物語の核心部に近づく内容に触れています。ストーリーには触れていません。観る前に多少ネタバレしてもいいよという人、観たよという人向けです。 『ラストナイト・イン・ソーホー』観てきました。前情報は「ホラーらしい」「ベイビードラ…

レッサー・ユリィの話

2022年美術館初めは、去年の秋から気になっていた三菱一号館美術館の展示へ。 mimt.jp もともと印象派の絵画、特にコローとかピサロの描く自然の風景画がとても好き。彼らの描く絵は、おおきな自然に似ている。そのなかにいると肺がひらいてたくさん息を吸え…