汽水域

海水と淡水のあいだ

201018_diary

洗濯機は鳩と同じような声で鳴く。ククルク、ククルク、と、一つ目の音はややためらいがちに。そして残り時間はいつも嘘をつく。3分じっとしていたかと思うと、突然逆襲のように動き出して、残り時間がまとめて2分減る。

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「令和なんだから」という言葉を見ると、どっと疲れる。

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走りながら、秋の朝の風で肺いっぱいにする。からだのなかの酸素が入れ替わって、細胞ごと自分がぜんぶ秋の空気になってしまった。空気のからだは、かるい。風が少し吹けば、どこまでも駆けていけてしまう。名前の分からない木に赤い実が点々と生って、名前の分からない木の葉っぱが黄色く、赤い。鴨が大きな両羽を揺らしながら水の上をすいすい進む。二匹くっついて生殖しながらトンボが頭の上をいく。空の色が、夏よりもずっと淡くて、朝の湖みたいだ。秋。

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よく、鍋で ココアやミルクティーを作る。この手の飲みものを作るときのポイントは、沸騰させた牛乳が鍋のふちぎりぎりまでせり上がってくるのを静かに待つこと。

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むずかしげなこと書こうとしたけど忘れた。かしこいぶらないほうがいい。

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賞味期限が一年前に過ぎたゆず七味、ふつうにうまい。

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ほんとうはたくさんのことがたくさんあるけれど、文字にしなくてもいいやと思ってしまうのは、怠慢だろうか、そうじゃないだろうか。