きみのお祭り

死ぬまで盛り上がっていけ

メイク・スロー・タイム

急ぎたくない。焦りたくない。慌てたくない。これまでの生活時間に、いいかげん疲れ果ててしまった。

もともとわたしはせっかちなので、絶えず頭のどこかが回っていて、気が休まらない。湯船に浸かってヘエーとなってるときでさえ、風呂から上がったあとのことを考えてしまう。明日の仕事の準備、注文途中のプレゼント、返信していないメール、あ、ゴミ出し。考えたくて考えているというよりも、頭が少し先のことを考えて行動をシミュレーションするように癖づけられてしまっている。

はー、やだやだ。先のことを考えると、急ぐし、焦るし、慌てるし。いまこんなことをしてる場合じゃないんじゃないか、という気持ちがむくむく起こって、手元がおろそかになる。手元のそれは、つい数十分前に頭をいっぱいにしていたことなのに。どうしてこんなことになってしまうんだろう?

ゆっくりやる、しかないのだと思う。そして、いまやっていることのことだけ考える。少しずつ自分で自分の時間をゆるめていかないと、いよいよミヒャエル・エンデの「モモ」の世界に登場する大人たちになってしまう。いや、もうなっているかもしれない。でも、まだ、まだ、ほんの一握の自覚が、ぎりぎり大事なところ繋ぎとめてくれている、と思いたい。せっかちってほんとに良いことないよ。雑になるし、疲れるし、いつも計算をしなきゃならない。このエネルギーをもう少しべつのことに使った方がいいっていつも思ってるよ。

メイク・スロー・タイム。ゆっくりの時間を作る。作る、ぞ! でなければ数年後には何かが死んでしまっている、きっと。