きみのお祭り

死ぬまで盛り上がっていけ

diary_20171019

 

 

雨には恵みの雨と奪いの雨の2種類がある、と思う。今日の土砂降りと低気圧はわたしにとって完全に後者だった。午前中は家から出ずに仕事を一本仕上げ筋トレも捗ったので全然悪くなかった。傾き始めたのは、出勤前にタップダンスの練習をスタジオで終えたあたりからだった。

まず、怒りのような雨。スタジオ入りする前はそんなに強くなかったのに、1時間半後、天がひっくり返らんばかりの雨。傘が役に立たない。全身ずぶ濡れになり、出社即ユニクロを余儀なくされた。そして寒い。濡れた上に強く風が吹きつけてくる。渋谷の街は雨が降ろうと槍が降ろうとかしましい。109のネオンは停電にも絶対負なさそうなくらいやらしいし、ロクシタンは永遠にあのアンニュイカラフルな店内であり続けるような気がしてくる。ユニクロを往復した段階で体力と体温をほとんど奪われた。

 

そしてうちの職場にはストーブがない。暖房しかない。おまけに今日来た生徒ちゃんはかなりひどい風邪で、わたしは体温の低下および空腹が効きかなり息も絶え絶えだった。しかし救いだったのは、約数と比についてかなり奥深いところまで一緒に考えられたこと。当たり前だけど、整数は本当に奥が深い。カメラのレンズは沼だけど、整数の深さは森みたいだなといつも思う。整数はすごい。永遠不滅だ。でもわたしの身体は11ヶ月で総取っ替えされるタンパク質でできている。寒いし、空腹で体力がかつおぶしみたいに削られていく。すべての仕事を終えてルンバのスイッチを入れたとき、おまえはゴミを食べて満腹になって眠れるんだからいいよなあと思った。わたしだってその辺にふわふわとしている森羅万象を口に放り込んで、適当に満腹になって今すぐ眠りたい。

 

しかし、さて、本当のことを白状しよう。土砂降りの本日、わたしを正面からバールのようなもので殴ってきたのは帰りの電車で読んだ中島らものアル中日記体験談だった。昨日飲んだ友人がおもしろいと言うので手にとってみたのだけど、なんというか、つらい。つらい気持ちが溢れてきてとめどない。初めて中島らもを読んだが、佳い文体だなあと感じる。感じるが、客観的な感想よりも主観的なつらいが一歩前に出る。アル中になったことはない、けれど、いいや、もうこれ以上はここには書かない。ただ、中島らもってどんな人なんだろうと思いウィキペディアで調べてみたら、彼に関わる登場人物全員が想像の斜め上をこえてきていて、全体的に喜劇みたいでちょっと笑ってしまった。笑ったら少しだけ元気になった。楽しくて元気だから笑うのではなく笑うから楽しくなれるんだなと妙な再確認をした。つらがらせるのか笑わせるのかどっちかにしろ中島らも