きみのお祭り

死ぬまで盛り上がっていけ

2019-01-01から1年間の記事一覧

二人暮らしを始めたら、いよいよ逃げられなくなった

二人暮らしを始めた。人と二人で、暮らし始めた。暮らしを始めて少しして、ああもう逃げられないんだなとわかった。わたしには、わたしの胸には、あらがいがたい穴がある。 昔から、それはもうほんとうのほんとうに昔から、胸の真ん中に穴があいている。穴は…

山田くんは怖かったけれど、怒っている彼はうつくしかった

席替えがあるたびに、わたしは神さまに祈った。どうか、どうか山田くんの隣になりませんようにと。 山田くんは3年2組の問題児と目されていた。授業中はとにかく騒ぐ。大声でマシンガンのように喋り続ける。消しゴムをちぎって投げる。コンパスで前の席の子の…

安定は安心を連れてきてはくれない

「安定した企業に就職したい」と目の前の子が言う。どうして、と問うと、「だって、そうすれば将来安泰だから」。「安泰っていうのはつまり、何も心配しなくていいということ?」「そう」「安心できるってこと?」「うん。親も安心すると思う」「でも、いま…

フライパンから炒めものをじかに食べる生活

カブと小松菜を炒めたのをフライパンごと机に運び、鍋敷きを二重に敷いて、フライパンからじかに食べる。品というのはこういうところからなのだろうか。誰も見ていない家の中で炒めものをフライパンからじかに食べる女。せめて皿に盛り付けてはどうかと思っ…

東京で生きていくということ

東京を生きていくために必要な技術はいくつかある。他人と肩が触れ合うかどうかの電車に乗ったらすぐにポジションを確保しミニマルな動作でリュックサックを背中から前に抱え直す技術。スーパーのタイムセールの時間が近くなったらそれとなく店員さんの動き…

「一言もの申し上げたい欲」のためにセンシティブな話題を燃やす人間が多すぎる

銀座いせよしのポスターの昭和臭…本当にこれが東京コピーライターズクラブの新人賞?冗談…ハーフはペットじゃないし着物は自分のために着るんだよ。ドアを開けてくれた人の好意を「自動ドア」なんて失礼な言い方しないでくれ。「年収の高い男ならナンパされ…

190601diary_眠りの瞬間

6月になった。気づけば一人暮らし生活がとっくに5ヶ月以上経っていてびっくりする。そろそろ2回目の四半期を迎えるらしい。まじか。でもたしかに、この部屋で色々な室温を味わったような気がする。 生活は、楽しい。4月末から5月半ばにかけて仕事がだいぶ大…

190423diary_生きていたいのに透明になりたい

生きているのが好きだ。生きていると、けっこういろいろ幸せを感じられる瞬間がある。春の空の淡さ。信号待ちをしている犬のお尻。野菜のトマト煮込み。木漏れ日。炊飯釜の手触り。フラミンゴの膝。季節の花々。風の味。炭酸水。夜道の街灯。花瓶。大きな建…

190421diary_散らばる鳩の残骸を見て

鳩サブレーを数年ぶりに食べた。びっくりした。鳩サブレーってこんなにおいしいの?砂糖と小麦粉と卵だけで?うそお? 鳩サブレーめちゃくちゃおいしい。おいしいが、めちゃくちゃボロボロこぼれる。もう、こぼれる。せんべいどころの話じゃない。週5で飲み…

虚無にはセブンイレブンコーヒー、地頭はぜんぶファック

今日は昼過ぎから体調とメンタルが完全に終わっていた。悪い。悪すぎる。ひとえにこの連日の雨と寒さ、吹きつけるビルの谷間からの風。悪天候は健康を大きく損なう。頭がどんどん重くなり、何かを考えようとしてもまともに言葉が出てこない。だんだん自分が…

諦めが生む飾らなさ/相澤義和『愛情観察』レビュー

相澤義和さんの写真集『愛情観察』を買った。ものすごく良かったので、感想を書く。 www.amazon.co.jp 撮影スタッフとして参加したブックフェア「ポトラ」に、この本の出版元である百万年書房も出店していた。ブースで『愛情観察』を手にとって、数ページめ…

地球の反対側にいるきみ、あるいは春が来ないと嘆くあなたへ

いま、仲のいい友だちが4人、日本じゃない場所にいる。ある2人は研究者、ある人は起業家、ある人は派遣隊として、それぞれみんな別の場所で別のことをがんばっている。 遠くにいる友人に、ここに吹く風の音や、季節の訪れを伝えたくて、手紙を書きました。該…

東京一人暮らし物件探し、結局どこでもオタクは強い

24歳、初の一人暮らし。自立がだいぶ遅れてやってきましたね。実は半年以上前から物件自体は探していて、去年のうちから内見もしていたのですが、年始にちょっと本気を出した結果ほぼ数日で決まりました。めでた〜い。 内見した物件数、28。まわった不動産屋…