きみのお祭り

死ぬまで盛り上がっていけ

スキー旅行の話

夫にスキー旅行をプレゼントしてもらった。人生通算3度目のスキー。某雪国で丸2日滑り倒した。

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雪国の朝

夫は普段ほとんど運動しない。オフの日は一日部屋にこもってカメラをいじったりお笑いを見たりしている。というか、日常生活の中で走っているところすら見たことがない(急ぐのが嫌いだから)。だから今回の旅行も正直、「この人はスキーを楽しめるのだろうか…」と半信半疑だった。と言いつつ、「あなたとスキーに行きたい!」と言ったのはわたしなのだが。

しかし懸念はまったくの杞憂だった。夫、スキーめちゃくちゃうまい。聞けば小学生から高校卒業頃まで、毎年家族で年に一回はスキーに行っていたとのこと。結婚三年目にして知るニュー・インフォメーション。十数年ぶりにもかかわらず上級者コースもスイスイ滑る。何をやらせても器用な人である。

かたやわたしは、レンタルショップで板の履き方と脱ぎ方を思い出せただけで一山越えた気分だった。最初の数時間はブリキのおもちゃみたいにぎこちなく、数メートル滑り落ちては脇の雪に繰り返し突っ込み、バグを起こしたRPGゲームのキャラのようになっていた。

しかし夫、教えるのもめちゃくちゃうまかった。しかもわたしと体格がほぼ同じなので、後ろにぴったりくっついて、動きや体の使い方をひたすら真似していたら少しずつ自然に滑れるようになり、最後はゲレンデの中級者コースを難なく全制覇できるまでに成長した。お互いの滑っている姿を動画に撮って見てみたら、滑り方が瓜二つで面白かった。

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雪の壁は高かった

体は、覚えたことを決して忘れない。だからこの先わたしは、たとえ足腰が立たなくなっても、夫がいなくなってしまったとしても、スキーの滑り方をずっと忘れないと思う。スキーを気持ちよく滑れるようになったこともうれしかったが、こういうかたちで夫との思い出が増えたことが何よりもうれしかった。すてきなスキー旅行だった。ありがとう夫。

youtu.be

余談

アルツハイマーを患っているこの女性は、かつて第一線で活躍していたバレリーナだったそう。"白鳥の湖"を聴かせたところ、彼女のなかの白鳥は50年の時を経てふたたび目を覚ました。この動画、何度見てもあまりにうつくしくて、見るたびに涙がこぼれてしまう。体はやっぱり忘れないものなのだ。